視聴したアニメ・ドラマ・本などの感想を雑多に、自由に吐き出していくブログです。
↑テンプレです。


http://ur0.link/Fzod 本編
・あらすじ

『潮田玲(鈴木杏)の通う学校には「サヨコ」という不思議な言い伝えがあった。それは、3年に1度、サヨコと名乗る生徒が選ばれ、3つの約束(始業式に赤い花を生ける・文化祭でサヨコを演じる・サヨコを指名する)を果たすと「大いなる扉が開かれる」というもの。 

 

 その伝承に強い興味を持った玲は、実際に鍵を送られた今年のサヨコ=幼馴染の関根秋(山田孝之)に頼んで鍵を譲ってもらい、始業式の朝、自分がサヨコに選ばれたふりをして赤い花を飾ろうとするが、なんと既に何者かの手によって花は飾られていた…。

 

 そして同日、かつて事故死した生徒と同姓同名の転校生・津村沙世子(栗山千明)の出現をきっかけに、「サヨコ」の正体をめぐって学校中を巻き込む騒ぎが巻き起こっていくこととなるのであった…。』
 

 



…そういや、鈴木杏も栗山千明も、山田孝之も松本まりかも(ついでに勝地涼や山崎育三郎も)。 メインキャストのほとんどは、このドラマが初見だったんだよなぁ…と今更のように。

 変わらず芸能活動を続けてる人、あの人は今?状態の人、老けたなぁ…って人、細胞どうなってんの…ってくらい見た目が変わらない人もいたり、それぞれなわけで…

 

「その年のサヨコは、二人いた」by玲

 



アバン

・赤いチューリップを手に、廊下を歩きながら、

潮田玲@鈴木杏のナレーションが続く。それは、この学校にしか存在しない「サヨコ」というシステムについて語るもの。

・元々の伝承(↑冒頭に書いたもの)に加え、このシーンで明かされる要点は勿論

「今年のサヨコは二人いる」 の部分

 

…と、同時に玲のキャラクター説明。

 

若干オーバーリアクション(爆)な芸人風の反応といい、沙世子チョイスの花が真紅の薔薇なのに対し、玲は明るいチューリップだったり…。シリアスな面立ちの中の人に反して、子供っぽいキャラ(鈴木さんは当時小6だったから、ある意味当然?)なのが、この短い数カットだけで分かる親切仕様。

もう一人のサヨコである佐世子が大人っぽいので、必然的とも言えますが"(-""-)"

 

驚きなのは、この玲ってキャラが原作「六番目の小夜子」に出てこない、完全オリジナルな点なわけで… それを脇のひとりではなく主人公でやっちゃう辺り、中々ぶっ飛んでます

 

 

・OP

「ドーミナドミナス!」「モタメソ…モタメソ…」という、一度聴いたら中毒になりそうなコーラスが、無性に頭でループすること必至な例のOP。

絶対運命黙示録みたいなモンです(ぇ

・話の内容を覚えてなくても、この曲は知ってる ってぐらいには有名(らしい)。とにかく山場になると、何度もかかる曲なので、終わる頃には口ずさめます← 

・OPで流れてるのは15秒にも満たない超short.verで、予告で流れてる部分を足すと完全な一曲になる辺り、中々のセンス(何様

 

昇降口

・玲の幼馴染にしてキーパーソン、関根秋@山田孝之の重要なバックボーンが、登場わずか数十秒で明かされるの図。 

・(病気で)去年まで入院→留年しており、学年的には義弟の由紀夫と同い年。事情を知ってる周りの人らはかなり気を遣ってる様子?

・親友の設楽君、(苦労性だけど)いい子なんだなー、ってのが分かります。こういう友達いると心強いよね

 

・あと、ある意味貴重ともいえる、病弱で線の細い、中性的な山田孝之の今作でのビジュアル。

こっから10年そこらでどんどんこうなってくからね…↓

 

・始業式 in 体育館

扉は閉まってるのに風の音が鳴ってたり、執拗にアップになる電球のカットといい、もうなにか起きますフラグ満々(

 

 

それでも実際に電球が落下してきた瞬間、OPのリフレインが入るのはドキッとさせられます。

 

…電球落下そのものより、ザワザワ感からの「サヨコだ…」「サヨコじゃない?」サヨコよ!」と一気に恐慌状態になる、名もなきエキストラ生徒たちの雰囲気が怖かった感じ? 

 

 

これと並行して、始業式をサボって会話する秋と玲のシーン

 ↑のあらすじには「秋から鍵を譲り受けた」と書いてましたが、実際はなんと玲が勝手に盗んだことが判明w 

  

サヨコというシステムに否定的ながらも、サヨコとして選ばれてしまった秋と、サヨコに選ばれたわけではないが、どうしてもサヨコになりたくてその役割を奪い取った玲

 

…っちゅー対比?  でも、現実における実際の機会とかも、むしろ強く望んでる人より、こういう人のとこに届くもんだしね。

 

・教室

ここで一気にキャラが増える増える。

クラス委員の雅子@松本まりか、ガリ勉の加藤@山崎育三郎、

手芸部でありオネエ男子の溝口@鳥居紀彦

 

・ここでは(成績で負けてるコンプレックスから)やたら秋に食って掛かる、スネ夫と出木杉君の悪いとこをブレンドしたみたいな加藤がフューチャーされてるものの、寧ろその後ろでやけに自然にオネエを好演してる溝口が光ってしまっているという…(爆 

 

 いや、オネエキャラは珍しくないけど、中学2年にしてここまで変に浮かずクラスに馴染んでるキャラは珍しいような…

特に虐められてるわけでもなさそうだし。

 

・松本まりかさんは、FF10のリュックの声優としての方が有名? 特徴的な声なので、すぐわかります。

雅子という名であだ名が「まぁ」。しかも中の人が松本でまりか なので、何かこう、韻を踏んでる感というか…(

・山崎さんは、今はイケメンミュージカル俳優として活躍中ですね。この時期と今とのギャップには一番びっくりした人かも

 

 

ひとこと多い優等生、一癖あるオネエ、一歳違うクールな留年生、という中学生なら孤立してもおかしくない面々にも、こういう冗談を言い合える友達がいる→ 

常に懐に飛び込んでいく玲や、差別意識を持たないよう務めてる雅子という裏返しな描写になってるのが中々巧み。

「人望ない」と揶揄しながらも、付き合ってあげてるってことだしね

 

・転校生

メインの片割れ、津村佐世子@栗山千明による華麗なる入場シーン。過剰な特殊効果とか演出はないのに、歩いてるだけ、喋ってるだけで「オーラ」みたいなのが出てるのは、中の人の技量?

浮世離れしたミステリアスな面…ってだけじゃなく、下々に目線を合わせ、常識をわきまえた会話も普通にできるご様子(失礼

 

・「美人じゃん!」と言う色めく雅子に「た、たいしたことないわよ(舌打ち)」みたいな溝口が面白すぎる。

 

・「佐世子」という名前にまたもザワザワするクラス…は置いといて、ここで佐世子の前の学校のことで「進学校」という学力ステータスで意識する加藤、 「バスケ強い?」という部分を気にする玲の違いは面白い。

・誰かを知るには、自分とその相手をつなげる共通項を見つけるところからだしね。

 

重要なのは、誰もがサヨコという名を、異様なまでに意識してるものの、それを誰かに具体的に説明したりすることは(先生含め)禁忌っぽい…ということ。

 

・掲示板

3年生になったことを祝福する掲示板の張り出しに「別にめでたくもねーよなぁ… 何もしなくても3年になれるわけだし」と笑う設楽。  

秋の前では大人っぽい気遣いを見せた彼も、本心ではこう思ってる辺りがリアルで中学生っぽくて…。偶然通りかかったものの、気付かれないよう、静かに、無表情に、足早に通り過ぎていく秋の疎外感みたいなのが、短いシーンからもよく伝わってきます。

 

・体育館

圧倒的な技術を、バスケ部と玲に見せつける佐世子の図ぅ… 

これがさっきの「バスケ強い?」へのアンサー?

でも普通に考えたらかなりカンジワルイ…ように見える気も(^^;)

 

・グラウンド

通り過ぎた時の鈴の音から、今朝先に赤い花を活けたのが佐世子なのではないかと、疑いを持つ玲。どちらともとれる様な態度でシラを切る佐世子

(番宣でネタバレしてる(爆)ので、もちろんその張本人なのはバレバレですが←

 

・自宅

「秋、はいるね~」とドアを開けてから言う、ガッツリ他人の家に不法侵入する玲(爆)。あ、朝ドラヒロインみたいな図々しs 

 

で、ここで初めて語られる、玲がサヨコになりたがっていた動機。

…やっぱワガママな気はするものの、「誰もあたしを選んでくれないなら、自分で掴むしかないと思った」は少し身につまされる台詞だなぁ、という気も。

本当にやりたいことは、他人に遠慮してる場合じゃない。それが世間的に良い悪いかは別にしても、その選択を選んだ未来、選ばなかった未来を想像して、「自分はどっちの方が後悔しないか」

これが少なくとも玲の選択基準ってやつかな?

あと、鍵(やシステムの説明)は少なくとも1年前から、次の年のサヨコに届けられる という新事実も判明。準備とか色々あるしね

 

・再びグラウンド

「『即戦力』がバスケ部にほしい」という塔子部長の欲望の元、佐世子を部に引っ張り込む特命を受けた玲と雅子。

 

…が、褒めて持ち上げまくる雅子の本心を見透かしたかのように連れない態度の佐世子。その対応方法は、多分今までの学校でもこんな感じの扱いを受けてきたんだろうな、とうかがわせるモノ。

もちろん、多少の要領の良さはあれど、バスケや学校の成績みたいに彼女自身が一から努力して築き上げてきたことを「最初からすべて何でもできる人」と評されることに、抵抗があるのは、ちょっとわかる(僕自身は優秀じゃないというツッコミは置いといて 

 

「バスケの1:1で負けたら入部する」という切り返しも、もちろんその努力に絶対の自信があるからこそ出て来る発言だし。

だからそこで「勝っても入部しなくていい。ただし鍵は返してもらう」と、自分の目的に条件を擦りかえる玲は、よく言えばしたたかで、悪く言えばガツガツして図々しい。

 

ここに限らず、ひとつの言葉や状況を受け止める時に、そのキャラが一番何にこだわって動いてるか、シーンごとにくっきり描き分けられていて、だからこんな風に全員のキャラが自然に立ってるんだなぁ…とか、そういう巧さにひたすら感心します。

 

ちなみに佐世子が勝った場合の「(皆が隠している)サヨコのことを教えてほしい」という条件。彼女もまたすべてを知る黒幕などではない、翻弄されてる側の人間であることを示す台詞?

 

・バスケシーン

えーと… 爽快だけど、特に言うことも無いので割愛(酷

 

あんだけ佐世子にボロクソに言われても、ケガした佐世子に肩を貸し、気遣いの言葉をかけられる雅子は、(他人の目があったからだろうけど)中々できた子だと思う。人の上に立つタイプには多いけど、設楽もちょっと似てるとこあるよね

 

・放課後の校庭

佐世子と幼女。とにかくこの二人が怖いだけのシーン(

この幼女の、微妙に体より頭の方が大きい頭身さえ不気味さに一役買ってるのはすごいと思うぞ…(失礼

・もしやサヨコの化身?象徴?と思わせるシーンがあるにはあるものの、結局正体は不明

・ところでこのシーンの佐世子の目元アップに、某野獣先輩のアレを彷彿としてしまうんですが(やめなさい

 

 

in 潮田家

もう一人のサヨコのことで、落ち込む玲をああだこうだ考察する両親sと、割と的確に事実を推測してみせる理論派の弟・耕君@伊藤隆太

・当時数えきれないくらい数多くのドラマに弟役で出まくってた(その片割れのほとんどが姉)イメージですが、中の方は2009年に練炭自殺なさってますね…;;

 

で、

(佐世子が足をひねったために)バスケでは勝負がつかず、

サヨコの件がうやむやになってしまったことを悩んだ玲が出した結論が

 

 

 

これ

 

では、活けてあった佐世子のバラはどこへ行ったかというと…

 

 

 

こう

 

という、ほとんど嫌がらせに近い報復行動に出た玲(^^;)

 

朝早くに学校来て一本一本飾ったのかと思うと、「仮にもヒロインなのに、なんつー小物…」みたいな感がすごいですが。

 

まぁ現時点で玲のできる「屈服しない」という、最大限のPRなのかも?

 

・体育館

秋からサヨコの指令所を受け取り、3つの約束の具体的内容を知ることになる玲の図ぅ。と同時に、

ここで正式に秋から今年のサヨコになる権限を譲り受けることに。

 

まぁ、黙って鍵を持ち出したから呆れてたのであって、佐世子とのバスケ対決にも懸命になってる玲を見て、ついに心動いた…ってとこなのかな?

・恐らく一切警戒することなく、秋を信頼しきっている笑顔の玲と、「しょうがないなぁ」とでも言いたげな、ニヒルな笑顔の秋。

 変に男女の(ってそんなん中学生にあったら嫌だが💦)色めいた雰囲気もない、昔からこんな感じだったんだろうな、とうかがえる幼馴染らしい空気。

 

いいシーンだと思います

 

 

・ラスト

なぜか、結局自分の意志でバスケ部に入部してきた佐世子。

そして、校庭の慰霊碑に向かって笑いかける佐世子を見てしまった由紀夫は、「あいつ、なんかヤバいよ」義兄に忠告する。

 

そして回想シーンでは、さらにヤバさの増した笑顔の佐世子がアップになったところで、1話は終了。

 

総評:やっぱり面白いです。濃ゆい。まさにNHKの本気

30分の間に小さな山場がたくさんあって、しかもそれがバラバラじゃなく、連綿と繋がるようになってる(そそそれが本来のドラマってツッコミはなしの方向で)。

とにかく一つのシーン、画面に詰め込まれた情報量がすさまじいドラマなので、感想を書くだけでもなんか一苦労って感じですが、とても書き甲斐はあるなぁ、と思いました。

 

キャストの皆さんも、ほんとによく見つけたなここまでぴったりの人…ってレベルの人ばかり。

 

鈴木さんや山田君は、初回だからまだちょっと探り探りな感もあるけど、特に栗山さんは、役柄もあってか、初回からもの凄い完成度の高い貫禄だな…と思いました。

射るような視線と絵になる立ち姿、柔らかいけど圧のある、淡々としてるのに棒読みではないセリフ回し。

 

ちょーっと長く書きすぎたので、2話からは、もう少し分量を抑えめにレビューしていきたいと思います。

 

…あ、実は見返して地味にびっくりしたのが最初のキャスト表記

 

 

木村良平さん、劇団ひまわりだったと思うので恐らく同一人物だとは思うんですが… いやぁ、ここまでエキストラに近い感じの役でも、今の売れっ子声優さんたちが下積みしてたんだな、と思うと…

 

こういう細かい「!」を探すのも、楽しみのひとつですねw

 

ではでは。