息子・市川海老蔵(36才)には、師として父として惜しみない愛情を注いだ。
「子供の頃に、愛情を満足に感じることができなかった。その経験があるから、自分は子供や家族への愛を強く持ちたいと思っていたんでしょうね」(関さん)
海老蔵が酒の席でほかの弟子とけんかをした時には、激昂して「出て行け!」と一喝したことも。
「すると、海老蔵さんは本当に出て行ってしまった。『このまま帰ってこなかったらどうしよう』と、内心大慌てだったそうですよ」(関さん)
2003年、まだ新之助だった海老蔵はNHKの大河ドラマ『武蔵MUSASHI』の主演に抜擢され、一躍脚光を浴びる。その時に團十郎さんが海老蔵に送ったのが、
「うぬぼれには足音がない」
という言葉だった。
「海老蔵さんはその容姿容貌もあいまって、一気に人気が出ました。團十郎さんはそれを嬉しく思う半面、天狗になってはいけない、と心配なさったのでしょう」(関さん)
この言葉を忘れずに精進し続ける息子の姿を、團十郎さんは天国から見守っている。
※女性セブン2013年12月26日・2014年1月1日号